一方、島根県の
隠岐ユネスコ世界ジオパークは法人化していて、予算も7,000万円を超えております。
山陰海岸に比べれば比較にならないほど小さな地域でありますけれども、額は多いということです。隠岐の協議会は、
一般社団法人になっております。予算も多い分、
事務局スタッフは13人もいて3名だけが
地元隠岐出身、8名は他県から2名は外国出身であります。これだけでも地域に活気が出てきそうであります。
山陰海岸ジオパーク推進協議会は、日本、そして
世界ジオパークへの加盟を果たし、10年以上がたっています。当初の使命を果たしたのではと思います。今、コロナ禍で人々の価値観も大きく変わってきています。
アフターコロナに向けて大きく脱皮し、本格的な体制に変えていくチャンスだと思います。ユネスコでも
ジオパーク推進団体の法人化を求めていると伺っています。
私は、今のままでは物足りない部分、
山陰海岸全体にわたる事業や海外への発信、国内外の
ジオパークとの交流、
研究教育活動などなども十分にできる、そして国からの直接財政支援や一般寄附を受けやすくできるようにすべきだと思います。財政基盤を整え、かつより的確でスピーディーに事業が行えるよう、一体的な組織として法人化すべきではないかと思います。知事の所見を伺います。
次に、鳥取砂丘の
多鯰ケ池周辺整備について質問をいたします。
鳥取砂丘も
山陰海岸ジオパークの一部であります。
ユネスコ世界ジオパークでは4年ごとに再認定審査が行われ、
山陰海岸ジオパークは来年通ればその次は2026年の予定です。そのときにはこれから進める
ビジターセンター西館の建設、
鳥取砂丘西側整備による上質化が評価されると期待をしております。そして、さらに
多鯰ケ池周辺をどう上質化していくかも一つのポイントになると考えています。
今年3月、
鳥取砂丘未来会議では、
多鯰ケ池周辺整備基本構想をまとめられました。その序文に、
多鯰ケ池エリアは地形的に砂丘東西をつなぐ
結節エリアに当たり、高い可能性を秘めた今後の鳥取砂丘の魅力向上に欠くことのできないエリアとされ、さきの
グランドデザインや
国立公園利用拠点計画、
鳥取砂丘西側整備構想とともに着実に実施され、この先10年において、
多鯰ケ池に再びにぎわいを取り戻す指針になることを願っていますと結ばれています。
その中に書いてありました
国立公園利用拠点計画を見てみますと、
多鯰ケ池側利用拠点ゾーンの
整備コンセプトが書いてあります。1、砂丘本来の自然・景観を眺望によって堪能できる空間整備を行う。2、スマートで落ち着いた環境の中で、自然と向き合う特別な時間が得られる場をつくる。3、滞在型のゆったりした空間と歩行環境を整備するとされています。
今後、鳥取砂丘の上質化を進める上で必要なのは
多鯰ケ池とその周辺整備だと思い、先月訪れました。
県道湯山鳥取線を鳥取市覚寺から
砂丘トンネルに向かう途中に、浜坂東1丁目の橋あたりで右側に抜ける道があります。その道は
多鯰ケ池の南側、つまり山側をぐるっと回って
鳥取砂丘入口交差点をもう少し東に過ぎた辺りで再び
県道湯山鳥取線に合流する道路であります。道の前半、合併前の鳥取市と福部村の境界までが
市道覚寺福部線で、実際、
多鯰ケ池の脇を通るのは
市道湯山多鯰ケ池線となって2つの道路がひっついているわけですけれども、合わせて距離は2.7キロほどでありました。昭和38年に国立公園に指定された頃は、
砂丘トンネルから出て砂の美術館に向かう道路、今県道ですけれども、これはできておりませんでしたので、覚寺と砂丘東側とを結ぶ今紹介した市道、これが唯一の交通路だったと聞いております。その頃の道路からの眺望は、手前に
多鯰ケ池があって、湖畔からずっと日本海までが大砂丘地で広がっていて絶景だったと聞いております。
さて、この道路は、
県道湯山鳥取線と違いトンネルはありません。ただ、ところどころ徐行標識があったり、路肩が崩れそうな場所もありました。狭い道路で普通車が擦れ違いできないところが多く、とても観光バスなどが走ることはできません。山越えの道路であります。
覚寺の入り口から1.4キロほど行ったところに
多鯰ケ池自然探勝路という遊歩道があります。そこから
砂丘トンネルの
砂丘側出口付近とを結ぶ1キロちょっとの遊歩道であります。季節柄、落ち葉が敷き詰めたようになっておりました。途中、池側に折れて220メーター下りたところには、
多鯰ケ池を見渡せる湖畔の場所があり、心が落ち着く大変よいところでありました。この探勝路は
山陰海岸ジオパークトレイルのコースの一部ですが、
浜坂財産管理組合の所有で、管理整備は鳥取県が行っているとのことです。途中、落石がそのままになっていたり、樹木が倒れたり道にかかっていたりと管理が不十分だと思いました。ただ、この探勝路でも
湯山多鯰ケ池線でも会ったのはジョギングをされていたたった一人だけで、車は1台も見ませんでした。景観もよく
散策コースとしては格好ですが、あまり利用されていないのではと大変残念に思いました。
また、
多鯰ケ池は、カヌーやサップヨガなどで利用されたり、東側には
金運アップの
パワースポットとして知られるお種伝説のお種弁天宮や観光梨園さんこうえんもあります。砂丘地にありながら西日本で一番深い池、それは砂丘の成り立ちが影響してできた池で、まさしく
ジオパークです。
多鯰ケ池裏側の山から見る景色は、
多鯰ケ池の先に
鳥取大砂丘が広がり、さらにその先に日本海が広がっているという池と砂丘と海が重なった世界でもなかなか見ることができない絶景だと思います。
未来会議では、この先10年でにぎわいをとやや控え目な表現をされていますが、着実に進めていく必要があると思っています。これから締結される連携協約において、早いうちに
多鯰ケ池周辺整備について検討すべきと思います。知事の取組への意気込みを伺って、壇上からの質問といたします。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、
ワクチン接種につきましてお尋ねがございました。
ワクチン接種を現在、私どものほうで進めてはいるものの、全国的に見ると低位ではないだろうか、こういうことで、啓発を進めていくべきではないだろうか、市町村と協議をすべきではないだろうかと、こういうようなお尋ねでございました。
現状では、今我が県の
ワクチン接種は全年齢でも75%を超えて75.4%になりました。また、対象年齢のほうで言っても83%余りでかなり大きくなってきたところです。特に70代、80代は92%から94%ぐらいですし、50代、60代も87%、88%ぐらいであります。懸念をされておられます19歳以下ですね、10代のところの対象年齢12歳以上のところも70%を超えて70.3%ということになり、また、20代、30代も今73%ぐらいであります。じわじわと上がってはきているのですが、非常にもどかしい状況でありまして、我々もこれは懸念をしているところであります。
実は、実情を申しますと、最初スタートした頃は3位、4位ぐらいでかなり速いペースで接種がいきました。かなり皆さん、それぞれの地域がペースをつくってきた後、大方打ち終わりが見えてきた頃、うちでいうと大体9月末ぐらいはめどが立った状況でした。このときには全国で10位でありました。この頃、実はある程度打ち終わった感があるのですね。それで、その後の状況では、先月末段階では42位ということで、かなり一気に落ちてきていると。何が起こっているかというと、やはり私ども片方で大変に感染者数を抑えています。それが一種の安心感になりまして、打たなくてもいいわという空気感がどうしても出てしまうということですね。これは非常に悩ましいことで、やはりそれぞれの人の言わば自由というのもありますし、選択権というのもありますので、もどかしいのですが、今
オミクロン株も見えてくる。特に
ファイザー社がこのたびは3回打ったら2回目接種で従来のデルタ株までと同じような効果が得られるというようにも言っていまして、やはりまずは1回目、2回目ということを打ってもらわなければいけないということであります。
同じようなことを実は先般、和歌山県の知事と話をしていましたら、いや、実はうちもそうなのだと。和歌山もいっときは全国で1位でありましたけれども、今うちよりも下なのですね。だからそれも一緒でありまして、和歌山も一生懸命対策を打っているという県で有名なのですけれども、
感染症対策が進んでいるものですから、逆にちょっと安心感が出るということで、非常に悩ましいねという話をしておりました。
この9月の終わり頃から、市町村には実はねじを巻いた形になっていますし、私どもも予約なしで
ワクチンを打てるということも当時始めさせていただきました。それで、先般、12月から3回目接種が始まりますので、
ワクチン接種体制協議会をやりましたけれども、そのときに
ワクチン接種の意義について申し上げ、市町村長に直接こうした
ワクチンが特に若い年齢層を中心にまだ打ち終わっていないところが多いと。ぜひそういうところに個別にもハッパをかけてほしいと、こういうことをお願いしました。市町村長も同じでありまして、昨日も
長戸岩美町長が就任早々お見えになりましたけれども、この
ワクチンの話を申し上げました。やはりそれはやらなければいけないことだと。皆さん同じように首長さんたちも感覚は持ってもらっていると思います。
現に今、倉吉などは個別勧奨をしていまして、全部打っていない方に郵送して検討してくださいというふうに送ったそうであります。同じように個別勧奨しているところは大体全体の4分の1ぐらいの市町村でも出てきていますし、同じような検討をしているところもその後また増えてきております。ただ、なかなか非常に厄介でありまして、倉吉市さんもおっしゃっていますけれども、そうやって個別勧奨のを送ったわけでありますが、打ちたくないという強固な方もいらっしゃるのですね。苦情が来るということも言っていました。だから、非常に悩ましい状況ではあるのですけれども、議員も改めておっしゃっていただきましたので、ぜひそうした意味で市町村と話をさせていただきたいと思います。
後ほど別の質問がございましたけれども、観光だとかそうした施策がこれから動き始めます。私どものほうでも国の方針があって、それに従ったやり方をしていきます。そうすると
ワクチン検査パッケージというものがこれからクローズアップされてくるだろうと思います。この
ワクチン検査パッケージも国のほうの指導というか基準としては、無料の
PCR検査を受けられる予算は今30億円以上、皆様に提案させていただいておりますけれども、基本的には無料の
PCR検査につきまして、体調などでどうしても受けられない事情がある方については無料にしますよという制度であります。ですから、基本的にはやはり
ワクチンを打っていただく必要があるのですよと、そういうようなことを広報するきっかけにもなるのではないかと思います。
もちろん本県は厳密に全部はじくわけではなくて、無料の
PCR検査というのは必要のある人には対応してまいりたいと思いますけれども、国全体の制度設計がそういうふうになっていますので、こういうこともお伝えをしながら、やはり
ワクチンを打てる方については、集団免疫の獲得もありますし、御自身や御自身が媒介してほかの方に感染させる危険もありますので、できる限りお願いをさせていただくということを改めて今後啓発していこうと思います。
また、実は
ワクチン接種された方にはいろいろな特典をお店のほうとかお宿のほうで出しておられます。県のほうでは、ホームページ、ウェブサイトを使いまして、こういうものも広報させていただいて、
ワクチンを打っていただいたほうがいろいろな意味で優遇も受けられますよということを民間の事業ではありますけれども、我々としても示していきたいというふうに思います。
次に、
国土交通大臣への要望結果についてお尋ねがございました。
このたびは就任間もない
斉藤国土交通大臣のほうへ11月19日にお訪ねをさせていただきました。その際には、銀杏議員をはじめ、公明党の県議の皆様方や、あるいは
平林代議士をはじめ、公明党の国会議員の方々にも御同席をいただき、合わせた要望もしていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
おかげさまでかなり前向きな回答がいろいろと得られたというふうに思います。まずは観光のほうにつきましてお話がございましたし、それから道路につきまして4車線化の問題についてお話もございました。
観光につきましては、実は前に赤羽大臣に何度か私のほうもお願いをさせていただいていました。それは県内の観光団体と一緒にしたり、それからまた全国的な立場で赤羽大臣のほうにお願いをさせていただいたりしておりました。その頃から我々が主張させていただいておりましたのがマイクロツーリズムという非常に感染も低く抑えられているところで近隣での観光をするということでありまして、今まではそれぞれの県の中だけでありましたけれども、これを隣の県に広げるということについて、我々は主張させていただいておりました。このたび斉藤大臣のほうに同じ旨を申し上げまして、その後、早速政府のほうの方針として隣県に広げるということをお決めいただいたところでございます。
これにつきましては、
岡山県知事とはかねて話合いをしていましたし、それから先般は広島、兵庫両県の知事とも話をさせていただきました。また、これから隣の島根県とも協議をさせていただくことにいたしております。こういうようなことで、両方の合意が取れればこういう隣県での
宿泊助成等ができるということで今最終調整をしております。
結構周りの県がまた熱心でして、我々のちょっと予想を超えるぐらい熱心にこれに取り組もうということでございまして、私ども基本的には相互主義で先方が出される条件と同じような形で最終の隣県観光を調整させていただこうと思います。すなわち宿泊の受入れとか、それから結構クーポンの発行にも前向きな状況がございまして、そういうクーポンの発行なども含めてこのたび
#WeLove山陰キャンペーンを延長しようとか、それからまた我々のほうで来ていただくスペシャルウェルカニキャンペーンというものを、これは広島、岡山、兵庫に適用しようというものでありますが、こうしたものをやっていこうということで考えております。
条件づけが基本的には
ワクチン検査パッケージということになります。これは国のほうの助成制度がこのたび始まるものですから、それに乗っかろうということでありますので、それが
ワクチン検査パッケージを求めています。先ほどの
ワクチンのお話というのは、実はこれに絡んでくることになります。こういうようなことでございますが、ぜひこの機会にと思っておりますし、早ければ来週にでもそうした隣県観光の延長や新しいスタート、これをそれぞれの地域と順次やっていって、年明けぐらいまでいろいろ調整がかかるかもしれませんが、早いところは来週ぐらいからどこかで始められるのではないかなというふうに考えております。
そして、道路についてでございますけれども、4車線化やあるいは
ミッシングリンクについて要望させていただきましたが、議員のほうで御指摘がございましたけれども、特に
境港-米子間のこの道路につきましては、今までよりも大分踏み込んだ発言を大臣のほうから出していただきました。感謝申し上げたいと思いますが、いろいろと財源の問題があると。市街地を通ることにいずれなるので、従来の
高速道路、鳥取県で造っていたものよりは非常にお金がかかるだろうと。財源についての話合いがどうしても必要になるけれども、考えていくべき路線だと、こういうことで前向きな回答があったというふうに捉えさせていただきました。
また、4車線化などにつきましては具体的なお話はございませんでしたけれども、議員がおっしゃるように、今国のほうでは
社会資本整備の審議会の場で、4車線化するについては有料化を考えるというお話が出てきています。
米子自動車道はもともと有料ですし、これについてはかねて安全・安心の
高速道路という観点で4車線化を全線にわたってやるということでの了解が取られていますので、こちらは問題ないのですが、あとは山陰道だとか鳥取道だとかそうしたところについては、そうした検討が入っているという情報がございます。詳細はよく分かりません。恐らく
国土交通省がいろいろと検討され始めているのだろうと思いますが、全国では、とにかく
ミッシングリンクをつないでもらわなければいけないという意見であるとか、それからやはり安全・安心のためでありますので、こういう付加車線をつけるということについて、今無料の道路を有料化するということについては難色を示す声が出てきています。本県もちょっと今後の様子を見ていきたいと思いますが、やはり慎重にこうした検討については我々も対処していかなければならないのだというふうに思います。現状まだこれ以上の詳しい情報はございませんので、今後よく調整を図らせていただきたいと思っております。
次に、
山陰海岸ジオパークにつきまして何点かお尋ねがございました。
まず、ユネスコの
ジオパークの基準として、法人化が求められていると。一体的な組織としてこれを法人化すべきではないかという、こういうお話でございました。
実はユネスコのほうの考え方を受けて、今
日本ジオパーク委員会のほうの事前審査を終えたわけでありますけれども、そのときもこういう法人化の問題ということは指摘をされています。今向こうのほうで申請のやり方というか審査基準を変えたのですね。
エバリューションドキュメントAという
評価文書A、そういうものが審査基準になっていまして、こういう新しい評価基準の中で、初めて
山陰海岸ジオパークが審査を受けるということになります。
そこに国際的な理念だとか世界標準の問題がありまして、日本は法人格なき社団というのが極めて一般的にありますし、結構それが重要な役割を果たしていたりしますけれども、海外の目線からするとそれは無責任な組織、財政的に担保がない組織ということに見えるわけですね。また、例えばジェンダーの問題だとか公平公正の問題だとか、そういういかにも欧米的な価値観というものも色濃く今後は反映されてくることになるだろうと思います。
そういう意味で、やはりそういう国際標準に耐えるようにしていくということは大事でございまして、今日も御指摘がございましたので、この関係地域、京都府、兵庫県とも調整をさせていただき、
ジオパークの
推進協議会のほうにも法人化について私どもの意見を出させていただきたいというふうに思います。
法人化をすれば雇用関係として責任関係がしっかりしますし、場合によっては長期にわたって終身雇用もやりやすくなるでありましょう。また、財産主体としての法人格ができますから、そういう意味で、例えば広く寄附を集めるとかそういう活動や、また国のほうの諸制度に乗っかってくる可能性もあります。隠岐の
ジオパークのお話もございましたけれども、例えばDMOを取るにはこういう法人格が前提になるなど、やはりそうしたいろいろなハードルを越えていく意味で、こういう法人格というのは私は避けて通れないのではないかなというふうに思います。
ただ、関係地域もありますので、今後よく協議をしていくことになりますけれども、審査も迫っていますから、速やかにやはり対処方針を決めるべきではないかと思いますので、働きかけをしてまいりたいと思います。
次に、
多鯰ケ池の周辺につきましてお尋ねがございました。
多鯰ケ池につきましては、地元のほうでいろいろな検討がなされたところでありますけれども、このことについてどういうふうに考えているのかということでございます。
これについては、
多鯰ケ池周辺整備基本構想がこの3月に示されたわけであります。これは浜湯山・
多鯰ケ池の皆さんの委員会のほうが中心になってまとめられましたが、県のほうでもファイナンスの面でも支援しながらこういう報告書の取りまとめをさせていただき、参画もさせていただいているということでございます。
ここには一定の未来像が描かれていまして、10年とかいういろいろなお話もありますけれども、ただ、ビジョンとしては皆さんが納得できるようなものが入っているのではないかなと思いますので、それぞれの事業主体、これは事業主体も例えば県はこことか示していますし、それに従って役割を県も果たしていきたいというふうに思います。例えば県のほうでは、自然探索路が県のほうの領分になるかと思いますが、そうしたことにも向かっていく必要があるのかなと思います。
今議員がおっしゃったように、
多鯰ケ池は西日本で一番深い池なのだということでございますし、特に
山陰海岸ジオパークというものを全体構成として考えたときに、こういうせき止め湖の存在というのは、ある意味地質学的にも保存すべきといいますか、あるいは観光の対象としてジオとして楽しんでいただくべき素材なのだろうというふうに思います。10万年にわたりましてつくられた鳥取砂丘、それによって日本海から分け隔てられた水域、こういうものが今
多鯰ケ池に見えるわけでありまして、これも結局、雨の状況などで水位が上がったり下がったりするなど、特徴的なところもありますし、また伝説もありまして、お種さんという女性がおいしい柿を取ってくると。これを見ていたら、実は蛇だったということで、正体がばれて湖に沈んでしまうというそういう物語でありますけれども、そういうものを思わせるような神秘性があの
多鯰ケ池にはあるのだと思います。弁財天もございます。これも日本三大弁天様の江の島の弁財天の分祠というふうに位置づけられていまして、由緒もあるし、そういう意味では観光の意味でも一つのセールストークに使えるところがあるのかなと思います。
また、議員がおっしゃったように、自然探索路とか、あるいは市道であるとか、人が歩いたり、あるいは車が入っていったりできるところがございまして、そうしたところでかなり景観的には面白い景観にもなるわけですね。
多鯰ケ池の水辺があって、若干ここの間に松林が入っていますけれども、そういう防砂林があり、その向こう側に砂丘が見えると。さらには雄大な日本海を望む、そういうバリエーションのある光景というものを楽しむことができます。
また湖面上におきましては、最近はサップヨガが盛んに行われておりますし、もちろんカヌーでありますとか、それから様々な行事などにも使われたりしまして、探勝路も含めて例えばこどもの国からずっと砂丘方面に行くときに、県道を通るとあっという間かもしれませんけれども、
多鯰ケ池のほうを通って上がっていくというようなものは
山陰海岸ジオウオークのコースにもなっているぐらい一つの定番コースにもなり得る探索路になっていると思います。
このようなことなど今後、できるだけ早くこうした整備も含めて進めていくべきものだと思います。特に市側は西側整備を進めていまして、リゾート構想を持っています。リゾートホテル、これから行くと本当に庭先のような形で自然探索路を入って
多鯰ケ池に下りてくるということになりますので、私どもとしてもそうした周辺の開発のスピードとも歩調を合わせながらできるだけ早く整備を図ってまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)答弁をいただきました。
ワクチン接種についてでありますけれども、若い人は間違った情報に惑わされているのではないかというふうな話もあるわけで、ぜひ案内を出すときには裏づけデータに基づいた正しい情報、納得できる情報、また優遇策の話もありましたので、そうしたチラシみたいなものも同封をしていただければというふうに思っております。
国交大臣への要望についてでありますけれども、
地域観光事業支援の隣近県への拡大の分でありますけれども、時期的には
GoToトラベルが始まる1月末、2月初め、それまでの間にやはりしっかり早く決めてやっていただきたいということと、これはもう早いうちにという話がございましたので、実施スタートも早くしていただけたらというふうに思います。
当然来ていただくだけではなくて、鳥取県民が出かけて向こう側で優遇が受けられるというふうになるのだろうと思っておりますので、期待させていただきたいと思います。
それで、
山陰海岸ジオパークでございます。法人化についてでありますけれども、その中で、今回出向きました文科省の国際統轄官で日本ユネスコ国内委員会の田口事務総長とお会いしました。ユネスコはSDGsの目標5の達成に向けて、先ほどちょっとお話もございましたが、ジェンダーバランスを実現するということで、今、
山陰海岸ジオパークに関わる人々に女性が少ないことが問題だというふうにおっしゃっておられました。また、ユース、若者が関わることが必要だともおっしゃっておりました。法人化には避けて通れないと働きかけをしてまいりたいという答弁でございましたので、ぜひともそうしたときに法人化するような方向性になれば、人員体制も増強されると思いますけれども、ジェンダーバランス、若者の参画について配慮すべきだと思います。知事のお考えを伺いたいと思います。
要望先の観光庁でアドベンチャーツーリズムの取組を支援されておりました。令和3年度募集のアドベンチャーツーリズム等の新たなインバウンド層の誘致のための地域の魅力再発見事業という事業がありまして、その中では、
一般社団法人隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会の高質な磯・海岸遊びを探求する隠岐ジオツーリズム事業が採択をされておりました。また、建物の改修や設備の購入等に係る観光振興事業費補助金の対象として、
一般社団法人麒麟のまち観光局の
山陰海岸ジオパークウオータートレイルアドベンチャー事業、これも採択をされておりました。
アドベンチャーツーリズムとは、自然、アクティビティー、文化体験の3要素のうち2つ以上で構成をされた旅行を指すということです。旅行者それぞれの興味、関心に応じたテーマ、ストーリー性のある滞在プランなど、その地域ならではの体験を求めているとこが特徴となっております。近年では、散策や文化体験などのソフトで簡易なものが主流となっているということであります。アドベンチャーツーリズムは
山陰海岸ジオパークにぴったりの旅行であります。観光庁でも磨き上げの支援などが用意をされておりますので、ぜひ取り組むべきだと考えておりますが、知事の所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから重ねてお尋ねがございました。
山陰海岸ジオパークにつきまして、ジェンダーの問題と、それからアドベンチャーツーリズムの拡大につきましてお話がございました。
先ほど申しましたように、ユネスコの
世界ジオパークでございまして、当然ながらユネスコは国連機関でありますから、SDGs、これとの整合性ということを追求しておられます。その中には女性に対する教育ということですね、これは日本がターゲットというよりは途上国の問題だと思いますが、そういうようなことなど、やはり女性の参画について大変なプライオリティーを置いておられると。その意味で、田口さんとお会いされたということでありますが、やはりそういう女性の参画とか、あるいは若い方々の参画とか、そうした幅広い人たちと言わばパートナーシップをきちんと組んでいくことが重要だと。これはおっしゃるとおりだと思います。早速、今日もお話がございましたので、審査も迫っていますから、これから関係地域のほうにも働きかけをさせていただきまして、体制の再整備ということを考えるべきかなと思って今伺っておりました。
実は、
日本ジオパーク委員会のほうで事前の審査があったと先ほど申しましたが、そのときに山陰松島遊覧の川口社長がプレゼンテーションをされたわけですね。今回ネットでのプレゼンテーションということだったのですが、そこで非常に
日本ジオパーク委員会のほうで言わばポイントが高かった感じで受け止められたのが、それは女性の船長をこの4月に採用したことです。彼女は海外での経験もございまして、英語も堪能なのですね。ですからそういう意味で、多分、川口社長としては非常にありがたい存在として女性の初めてのそういう遊覧船の船長誕生のことをおっしゃったのかなというふうに思います。
また、あそこにあじろやという食堂がありますけれども、あれも女性のいろいろなアイデアで例えばハタハタを使ったメニューだとか、そういうものをいろいろ提供されていると。これもやはり非常に評価が高かったということでございました。
我々もこういうようなことの空気感を感じましたので、例えばいろいろな部会だとか、また事務局の組織だとかございますが、女性の比率というものをやはりきちんと高めていく必要があるし、それをぜひ実践する必要があるだろうと思います。鳥取県は全国で最も管理職としての採用が高いところでありまして、そのときも経験しましたけれども、ある程度やはりこれは気合を入れてやるということなのですね。採用するぞと、あるいは人を入れ替えるぞということをやらないと、これはかなりトップのリーダーシップというのがあると思います。そういうことをやはり我々のほうで3府県で足並みをそろえて、豊岡市さんだとか主要な団体と一緒になってやる必要があるのではないかなと思いますし、できると思います。
なぜなら、実は関西広域連合がございますけれども、あそこも民間の皆さんのいろいろな声を入れていくという意味で協議会という議会とはまた別にそういう審議会というか参画のための委員会みたいなものがございます。これは非常に女性の比率が高いです。これは意識的に実は構成の各府県のほうと協議をして、我々もたしか環境大学の遠藤さんとか入っていたと思うのですけれども、そういう女性の方をわざと推薦をするわけですね。そうやっていくと全体として女性の方がかなりの比率になってくると。やはりこういうことはやろうと思ったらできるので、特に言わば持ち寄ってつくっている組織でありますから、可能ではないかと思います。ちょっとよく相談をさせていただきたいと思います。
また、若い方々につきましても、これは例えば最近は青翔開智がこの
ジオパークのこういう研究発表で最優秀賞を取りました。こういう若者向けのイベントもやっているのですけれども、この子は実は新温泉町から通っているわけですね。それで春来川についてのレポートを考えられて、もっと湯村温泉を元気にしようと、そういうものなのですけれども、そういうことで、若い方々がいろいろと
ジオパークに提案をしてくると、こういうことも今までもやってきております。
例えばちょっと今は下火になってしまいましたけれども、環境大学が
山陰海岸のジオ部というのをつくったと。そういうクラブ活動で100人ぐらいいたのですね。これは新名先生という環境大学の先生がこの
ジオパークの我々の山陰海岸の中心人物だったということもございまして、いろいろな活動をされていました。ボランティア活動的なことだとか様々なことをされていたのですが、このジオ部、残念ながらちょっと今、新名さんが東北のほうに行かれて、この活動が多分あまり大きくなくなってしまったと思いますけれども、ただ、こういう形でやはり若い方々が参画をしてくるということが非常に重要なのではないかと思います。
あわせまして、アドベンチャーツーリズムのお話がございました。ぜひ新型コロナの後の、あるいは新型コロナとウィズのツアーとしてこのアドベンチャーツーリズムは有効だと思いますので、展開を強化していきたいというふうに思います。
現実にも例えば
山陰海岸のロングトレイルをやりました。これは230キロにわたるトレイルでございますけれども、このトレイルはもともと鳥取県から始まったもので、これを但馬、そして丹後というふうにつなげていったわけですね。こういうものが全線できるようになりました。これを
ジオパークの協議会のほうでも重点事業として取り上げていただきまして、これを通じたこういうアドベンチャーツーリズムの事業ということをされています。
コロナなのでなかなかやりづらいということはあるのですけれども、入門コースだとか、それからポイントウオーク、ポイントをためていってそれを競い合って賞品が出るというようなそういうようなものでありますけれども、こういうものもやって結構参加者があります。ポイントウオークは9月から先月末までやりましたけれども、非常にコロナ禍ではありますけれども、こういう広々とした自然の中を歩くということでありますので、そこそこ参加はあるということでありました。
それ以外にも議員がおっしゃるように、例えばシーカヤックであるとか、いろいろな探索のツールというのはあると思いますし、先ほどアドベンチャーツーリズムで文化などもございましたが、麒麟獅子舞などなどそうしたものも楽しめるわけでございます。
実は、先般、関西広域連合がありまして、そこの議会で岸本議員が質問をされました。兵庫県の公明党の議員団の方でいらっしゃいますけれども、
ジオパークトレイルを取り上げていただきまして、ロングトレイルに代表されるようなそういう屋外を活用したアドベンチャーツーリズムを推奨すべきではないかという声も寄せられたところでございました。ぜひ私どもとしても関係者と協力をしながらアドベンチャーツーリズムを進めていければと思います。議員がおっしゃったように、今観光庁のアドベンチャーツーリズムとして私どもの麒麟のまちの事業を採択されておりますが、いろいろと題材はありますので、私どもの県単独事業も含めまして応援をしてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)答弁いただきましたが、続けて
ジオパークについて質問を続けます。
今ロングトレイルの話もございましたけれども、兵庫県のほうの議員の話がありました。海辺近くではスマホも電波が届かないところもあるのだよというふうなことでありまして、環境省のほうには国立公園とほぼ重なるエリアでありますので、通信環境整備ということを申入れもさせていただいたりもしました。今どき案内も情報として入手するのはやはりそうしたスマホ等を通じてやりますし、支払いもキャッシュレスで行うと。通信環境が整わないとなかなか本当に入っていただけないのかなというふうに思っております。ということで、
ジオスポット、そしてエリア内のロングトレイルコース、ロングライド、サイクリングコース周辺などは国の支援も得て通信環境整備を進めるべきだと思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから通信環境につきましてのお尋ねがございました。
今議会でも度々デジタル田園都市国家構想が語られるようになりましたけれども、岸田政権も今そういう意味で通信環境を地方にこそ整えていこうというふうにこれから当初予算も含めて動かれるのではないかと期待をいたしております。
私どもとしては、そのような活用をしながらアドベンチャーツーリズムでロングトレイルを歩かれるにしても支障なく、特にちょっと釣り人などが落ちたりすると危険なエリアでもありますので、そういう意味で危険を防ぐということもございますし、事の展開を我々もサポートしていきたいと思います。
今おっしゃったのは兵庫県の中の地域ではあるのですけれども、また兵庫県側にもこうした御議論があったことはお伝えをさせていただいたり、ロングトレイルのいろいろな話合いの中でも問題意識を提起してまいりたいと思います。
今、不感地区になっておりますのは、余部の道の駅の辺りから左のほうというか、西のほうというか、そちらのほうに行く海岸線でありますが、釣鐘洞門であるとか田井ノ浜など、やはり一つの
ジオスポットとして特に兵庫県側では重要な地域、そういう海岸線でもございます。うちでいうと菜種五島みたいなああいうエリアですかね。あのような感じの景観があるところでありまして、兵庫県側でも有数の
ジオスポットになっています。そういう意味で、今日の御指摘も重要だと思いますので、関係先に申し上げてまいりたいと思います。
携帯電話の事業者が基地局をセットするなどが解決になるのですが、これは国や自治体が共同で要請する制度がございまして、そういうものを活用していただきながらクリアしていただけるとありがたいわけでありますが、隣県でありますので、今日のお話はしっかりお伝えをしてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)鳥取砂丘の
多鯰ケ池の問題ですが、自然探勝路、そして市道の整備でありますが、通ってみると本当にこれから整備していかなければいけないなというふうに思いました。県の道路ではありませんけれども、
多鯰ケ池の市道の整備について特に思ったのは、これからどういうふうに活用するのかと。
多鯰ケ池を巡る散策路として活用するのか、もしくはそれとも道路が車が行き交うような自動車用の道路として整備していくのか、本当に慎重な検討が必要だと思いました。散策路としての整備をするのであれば、歩道をきっちり整備しなければいけませんし、自動車の待避所の増設も必要だと思います。それから自動車用の道路とするならば、2車線ということで、道路拡幅ということになりますが、多額の経費が必要になります。私自身は静かな環境で散策もできる道路、つまり散策路としても活用できるようにすべきだというふうに考えております。鳥取市と連携協約にのっとって協議決定していただきたいと思いますので、その席上でぜひこのことも俎上に上げていただきたいなというふうに思いますが、知事の所見を求めます。
◯議長(内田博長君)平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて
多鯰ケ池につきましてお尋ねがございました。
あのエリア、一つはぐるっと
多鯰ケ池を回ろうと思いますと、自然探索路もございますが、これについては県としても今日も御指摘ございましたので点検をさせていただき、これは浜坂の財産区さんの権利関係もありますので、そちらともよく協議をさせていただき調整をしながら、支障物の撤去であるとか、そうした整備を図ってまいりたいと思います。これは国立公園の整備の今回の計画に基づくものにも入っているところでございます。
あと、今おっしゃったように、あそこには
多鯰ケ池湯山線だとか、あるいは福部覚寺線だとか市道が入り込んできているわけであります。今日の議論につきましては、また今後、連携協約を結んでいくことになれば、全体像の話合いをする機会もあろうかと思いますので、お伝えをさせていただきたいと思いますが、地方自治法の第252条の2に基づいて連携協約を今皆様のほうに議案として提出をさせていただいております。連携協約は一部事務組合とか広域連合とは違いまして、そこで意思決定をするというものではありません。それぞれが事業をするその事務を執行するときに、お互いに一定の役割分担に基づいてやっていきますと、それを調和的にやっていくと、連携してやっていくと。こういうようなことをやるということで、それぞれの決定主体は例えば自然探索路であれば間違いなく鳥取県議会のほうが全責任を負うと、平井という執行部が負うというものでありまして、市道については向こうという立てつけの制度になっています。ですから向こう側に決定権のある話でございますけれども、全体像はこれから調和的に例えば自然探索路と市道と両方相まってどういう観光ゾーンにしていくかということでありますので、話合いの中に入れさせていただきたいと思っております。
◯議長(内田博長君)35番銀杏議員
◯35番(銀杏泰利君)砂丘に引き続きまして、鳥取砂丘こどもの国についてでありますけれども、取りあえず今後も児童厚生施設として活用することになろうかと思います。そうした場合の整備について意見を述べたいと思います。
私も子供を連れて何度か利用させていただきましたけれども、対象年齢は小学校低学年くらいまでかなというふうに感じております。中学生、高校生でも十分楽しんでもらえるような施設にすべきだと感じております。あそこは大変広大な敷地でありまして、使われていない部分も結構広い。また、起伏に大変富んでおります。そしてそうした場所もきっちり芝生などできれいに整備されております。
例えば、使われていないエリアを子供たちが遊び運動機能強化にもなるアスレチックパークとして整備してはどうかというふうに思います。また、雨天のときでも屋内で子供たちが遊べるように屋内施設の整備や現有施設の拡充などすれば、入園者の増加も見込まれるのではないかと思います。こどもの国の中に環境教育を子供向けに取り入れた遊びや、また子供向けのSDGs体験プログラムなどを用意すれば、遊びながら環境やSDGsについて学べるのではないかと思います。今でも一部されていると思いますけれども、連携協約の締結後、鳥取市のキャンプ場整備と鳥取砂丘
ビジターセンター西館整備の方針に合わせまして、県もこどもの国の今後の利活用方針を定め、必要に応じて再整備すべきと考えます。知事の所見を求めます。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてのお尋ねがございました。こどもの国についてでございますけれども、これは連携協約によってこれから深く市側と調整をしながら、あのゾーンの観光振興や、あるいは環境保全などを進めていくということになるところでございます。
今お話がありましたこどもの国ですけれども、これは昭和48年に開園をしました。石破二朗知事の時代に発案をされまして、言わば明治百年事業として手がけられ、国有林を活用して切り開かれたものでございました。それは児童の健全な発達だとか、そうした思いを遂げるそういう地としてやったわけでありますが、これを平成に入ってリニューアルを大々的にやりまして、それがいずれもうあと10年、20年すればだんだんと耐用年数の時期が来るのかなと思いますが、ですからそれに向けて徐々にどういう触り方をしていくかなということかと思います。ただ、令和5年がそういう意味で節目の周年事業の50周年になりますので、そこのときに向けて一定程度何か記念事業的なことは検討してもいいのではないかというふうに思います。
私自身も子供を連れてこどもの国にもちろん行ったこともありますし、非常にいいスペースでありますし、特に県外の方も半分ぐらいは来られますので、大体年間15万人ぐらいの入場者も今あると。今おっしゃった例えばフィールドアスレチックについては、最近は令和に入りまして観光事業団が基本的には受託者になっていますけれども、そちらのほうの要は自主事業として順次フィールドアスレチックの整備を始めています。年々増えてきているというふうな感じですかね。もちろん利用もありますし、特に利用者的にはドリームキャッスルという割と大型な遊具を設置しました。これは大分、県自身も関わっていますけれども、これは人気のようでして、これに来るためのお客さんというのはやはり出ていまして、明らかに入場者数に影響したと思います。
そこで、戦略を考えなければいけないと思うのですが、議員がおっしゃるように、中高生のところはどちらかというと少ない。多いのは幼児、それから小学生、それからその親御さん、これらがほとんどでして、中高生というのは利用がないわけです。だから中高生にターゲットを当てたことをやろうと思えば、それはディズニーランドを誘致するとか、そういうことをやはり考えなければいけないのかなと思うのですね。多分ちょっと中途半端なことをやっても自分の子供のだんだん大きくなった感じを見ますと、印象は来ないのではないかと思います。
お子様連れの家族層、それにターゲットをやはり当てて、こどもの国というのは考えて、その上で、確かに議員がおっしゃったように、雨のとき、雨天で遊べるところというのは入り口の広場的なところぐらいしかないのですよね。もうちょっと屋根のあるスペースを増やすとか、あとはソフトのこともあって、そこに今キャンプ場をどうしようかという市側との共同作業があると。
連携協約というのは、全てを一つの施設で引き受けなさいということでは実はないのですね。今議員が御指摘いただいたように、銀杏議員にも斉藤大臣と当時いろいろとお世話になって造ることになる西側のビジターセンターがあります。このビジターセンターができれば恐らくそこは中高生中心のものになり得るわけですね。現に想定としては学校の説明会を受けたりして、それでふだんから遊びに来てもらってもそこを拠点にして砂丘の中を歩き回ると。砂丘にあるのですからここで何かつくり込んでやるというよりも、砂丘を活用するとか、あるいはサイクリングターミナル、これを今市側がどうされるのか、これから検討されるのだと思うのですけれども、こういうサイクリングというようなツール、こういうものを活用して、どちらかというと思春期世代が自分たちで勝手に遊びに行って楽しむというようなそういうようなものが多分そちらのほうにあるのかもしれないですね。
amulapoさんというところが今、月面を体感できるような観光ツアーを現に11月から始めておられます。結構評判もいいし、こういうのはどちらかとヤングアダルト世代だとか思春期世代に受けるのではないかなと思いますが、ちっちゃい子よりも多分そういうところではないかと。そういうようにして、それぞれキャンプなどは全世代対象ですし、それからお子様はこどもの国、それから砂丘だとか、それからサイクリングだとか、そういうところは若い層、こういうようなことをそれぞれに用意をして、それを連携していくというそういう一つのゾーニングを我々全体として考えるのがいいのかなというふうに思います。